研究課題/領域番号 |
06405009
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80017087)
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研究分担者 |
江尻 全機 国立極地研究所, 資料系, 教授 (30013692)
綿貫 豊 北海道大学, 農学部, 助手 (40192819)
加藤 明子 国立極地研究所, 研究系, 助手 (80261121)
谷村 篤 国立極地研究所, 研究系, 助手 (10125213)
福地 光男 国立極地研究所, 研究系, 教授 (80099936)
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キーワード | マイクロデータロガー / 潜水行動 / ADL / 回遊 / 代謝 / 体温調節 |
研究概要 |
平成7年度はマイクロデータロガーを用いて、海産哺乳類(ネズミイルカ)、海鳥類(ウミウ、ウトウ、オオサマペンギン)、爬虫類(アカウミガメ)、魚類(サケ)について遊泳行動の実験を行なった。データロガーは小型の鳥類、魚類については経14mm、長さ75mmの新たに開発したデータロガーを、大型の動物については経19mm、長さ75mmのデータロガーを用いた。記録は水深・水温、水深・水温・塩分、水深・水温・加速度、水深・水温・遊泳速度、胃内温、心拍等である。現場実験とデータ解析の結果、多くの新知見を得ることができた。イルカについては、潜水時の代謝量は極めて低いこと、また平均的代謝量は酸素量で18mg/g・mであったこと等が明らかとなった。鳥類ではウトウの潜水行動で全く新しいことが明らかとなった。体重500gのウトウは有酸素代謝限界を遥かに越えて潜水を行なっている。これは小型の鳥類がいかにして潜水適応を生理的、生態的に成しえたかの問題の重要な情報となる。さらに鳥類の体深部温度の変動リズムについてもウミウからデータを得ることに成功した。現在結果を解析中であるが、爬虫類から鳥類へのり進化を知るうえで貴重な資料となる。ウミガメ、サケについても多くの成果を得たが、特にサケについては、従来回遊や浸透圧調整について多くの研究が成されている反面、海洋の現場からの情報が全くない状態であったが、本研究で初めてサケにデータロガーを装着し、母川回帰直前の遊泳行動の具体的データを多量に収集することに成功した。サケは海から川にほとんど時間をおかずに入ることが可能であることを実証した。またサケは高水温海域では遊泳水深を深く取ることによりエネルギー消費の抑制をしていることも明かになった。この他多くの知見を多くの動物で得ることが出来たが、データは現在解析中である。
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