研究分担者 |
山崎 守一 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (90200667)
鈴木 岩弓 東北大学, 文学部, 助教授 (50154521)
華園 聡麿 東北大学, 文学部, 教授 (20004872)
杉山 晃一 東北大学, 文学部, 教授 (70004041)
磯田 煕文 東北大学, 文学部, 教授 (30004039)
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研究概要 |
本研究は,インドの諸々の哲学思想と仏教との交渉の実態を,主として文献を通して解明することを目的として,次のような研究実績を得た(順序は研究組織表に従う)。 1.(1)Vedanta派,Advaita派のPrakasananda(16世紀)の主観的観念論(drsti-srsti-vada)における仏教(唯識思想)の影響について考察した。 (2)真実(tattva)は不可説であることをめぐる仏教(原始仏教,般若経,Abhidharma-kosa-bhasya,Tattva-samgraha等)と不二-元論の伝統(upanisad,Mandanamisra,Sankara等)との比較研究を行なった。 (3)真実(satya,tattva)の意味をめぐる,upanisad,仏教,インド哲学諸学派(Nyaya,Vaisesika,Samkhya,Vedanta等)との交渉関係の研究及び比較考察を行なった。 2.空性説研究において他学派(特にKumarila,Slokavarttika)からの論争を解明した。 3.日本,韓国,タイ,インドの稲作儀礼と神観念の研究をまとめた。 4.仏教の庶民信仰化についての文献及び青森県,山形県の調査を行ない,霊地,霊場について考察した。 5.ヒンドゥー諸神について,宮城県と東京・浅草寺の調査を行なった。 6.仏教と同じころインドに興起したジャイナ教は,仏教と共通するところが少なくないことを,文献上に指摘するための基礎的研究として,ジャイナ古層経典(Isibhasiyam,Ayaranga)の索引を作り,ジャイナ古聖典をコンピューターによって解析する研究をまとめた。 7.初期の不二-元論(Advaita)派の大成者Sankaraの思想を世界原因説という視点から考察した。
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