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1995 年度 実績報告書

展示空間の表象文化論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06451011
研究機関東京大学

研究代表者

岩佐 鉄男  東京大学, 教養学部, 教授 (50203360)

研究分担者 松浦 寿輝  東京大学, 教養学部, 助教授 (50157244)
船曳 建夫  東京大学, 教養学部, 教授 (90165457)
小林 康夫  東京大学, 教養学部, 教授 (60153623)
義江 彰夫  東京大学, 教養学部, 教授 (80001775)
横山 正  東京大学, 教養学部, 教授 (80012417)
キーワード芸術作品 / 空間 / 展示 / 展覧会 / 表象文化論 / 美術館 / インスタレーション / マルチメディア
研究概要

本年度は、各研究分担者が個別的研究を進めるとともに、合同研究会をほぼ3か月に1度のペースで開き、展示空間の歴史と構造、文化・社会的な表象装置としての機能と意味について検討を重ねてきた。建物の改修など、種々の理由により東京大学教養学部美術博物館における展覧会の開催にまでは至らなかったが、近代ヨーロッパにおける「展覧会」という制度と「展示のための空間」の出現の問題、それに並行した不特定多数の人に見せるものとしての「芸術作品」の成立の問題など、歴史的な面での問題の深化がみられた。また、展示空間の機能の面では、近年とくに発達の著しいインターネットなどの電子メディアを通した「仮想現実」における作品展示の実態を探るとともに、ファーレ立川、《水の波紋》展(9月青山)のように都市空間を展示場所とする試みや、荒川修作による《養老天命反転地》(岐阜県養老市)のように大規模な空間そのものを作品化する試みを分析することによって、現代社会においてますます広がりを見せ、質的な変貌を遂げている《展示》の問題が新たな様相を帯びて浮かび上がってきた。この多様なあらわれを歴史的な展望につなげていくことが今後の課題である。実践的な活動としては、平成8年1月にエマニュエル・ルベ氏による《耳のための映像》の催しを美術博物館主催によって行った。複数のコンピュータを用い、観客参加の形でリアルタイムに作品を制作・提示していくこの試みは、インタラクティヴな作品展示という、まさしく現代的な方向性を指し示すものとして大いに注目された。「展示されるもの」と「展示のための場所」、「作者」と「観客」の区別が意味を失う、こうした新しいタイプの「展示空間」の解明も今後の課題である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 義江彰夫: "源氏の東国支配と八幡・天神信仰" 日本史研究. 394号. 1-29 (1995)

  • [文献書誌] 横山正: "平面とグリットのあいだ(モンドリアン論)" 美術手帖. 95-12. 16-29 (1995)

  • [文献書誌] 横山正: "空間とデザイナ-=「東」と「西」を超えて" 世界のインテリアデザイナ-. 6-11 (1995)

  • [文献書誌] 横山正: "庭の中の迷宮" 挿花. 533. 74-75 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤 良明: "Surfin' the Technowave" メディアと20世紀. 3巻. (1996)

  • [文献書誌] 小林康夫: "身体と空間" 筑摩書房, 218 (1995)

  • [文献書誌] 小林康夫: "出来事としての文学" 作品社, 259 (1995)

  • [文献書誌] 松浦寿輝: "折口信夫論" 太田出版, 209 (1995)

  • [文献書誌] 松浦寿輝: "エッフェル塔試論" 筑摩書房, 410 (1995)

  • [文献書誌] 松浦寿輝: "映画1+1" 筑摩書房, 234 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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