研究課題/領域番号 |
06451011
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩佐 鉄男 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50203360)
|
研究分担者 |
松浦 寿輝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50157244)
船曵 建夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90165457)
小林 康夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60153623)
義江 彰夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80001775)
横山 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80012417)
|
キーワード | 表象文化論 / 展覧会 / 展示 / 空間 / 芸術作品 / 美術館 / マルチメディア / インスタレーション |
研究概要 |
本研究は研究の最終年度にあたり、これまでの研究をもとに、役割分担ごとの個別的研究をより深化させながら、全体を文化・社会的な装置としての展示空間の歴史・構造・機能という3つを軸に集約させた。その成果は別途報告書にまとめられるが、その主な内容は次のとおりである。 1.展示空間の歴史は建造物に内在、あるいは密着したものから、広く開かれたニュートラルな空間への展開とまとめられる。この変遷は、その時代や土地の社会・文化状況と密接に絡まりながら、見せる側、見る側の意識の変容と結びつき、展示されるもの自体の意味の変化をもたらしている。 2.空間構造としては、とくに現代においては、展示品を内部に含み込む従来型のものから、開かれた空間への展示品の設置、展示品そのものが展示空間となる形、電子メディアによる情報の提示にいたるまで、きわめて多様化している。閉じた構造をもつ場合にも、展示品自体の質の変化によって、より多元的な空間構成が行われており、いくつかの美術館に関してその準備段階からの実地研究を行うことができた。 3.展示空間の機能は、展示されたものとそれを受けとめる人との間になんらかの関係をつくりだすことであり、その場における情報伝達の内容と形式が主要な問題となる。この点に関しては、とくに近年話題となっている美術館教育について、現場からの報告(キュレーター、福のり子氏)を得られたことは、本年の収穫である。
|