平成7年度迄の調査に引き続き、日本に現存する中国絵画、中国書跡の作品の内、重要なコレクションである京都国立博物館、大和文華館、東京国立博物館等に所蔵される未調査分の作品調査を実施した。昨年度に引続いて本年度も東京国立博物館の調査に重点をおいて実施した。調査は従来通り、基本資料とすべき諸印を、6×4.5判カメラによる原寸大の白黒写真(特に重要なものはカラー写真)として、また印色の記録の為、それぞれ35ミリ・カラースライドとして撮影した。また鑑定上の必要に応じて作品の絹、紙を35ミリカメラによる拡大写真撮影も合わせて実施した。また、平成8年秋に開催されたボストン美術館の特別展(会場 横浜そごう美術館)に出品された中国宋元時代の書画に押捺される書画家印、鑑蔵印についてもボストン美術館などの関係者の協力を得て作品の熟覧による調査を実施した。 調査により収集した諸印の原寸大焼付写真資料は、従来、収集整理した写真資料と同様にB6判のカードに貼り、それぞれ基礎データを記入し、画家、書家、収集家、賞鑑家別に分類し、諸印の真偽の問題、さらにその用印年代を検証し、Mそれらの結果をデータベース化をふまえて整理し、今後、さらに予定する「日本に現存する書画家印・鑑蔵印の研究」の最後段階としての『日本現存中国書画落款印譜』作成の為の基礎資料の作成を実施した。
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