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本研究にとって最も重要な作品を多く所蔵する大阪市立美術館、京都国立博物館、大和文華館、東京国立博物館等に所蔵される中国絵画、中国書跡の内、従来、未調査分の作品調査を実施した。調査は従来通り、基本資料とすべき諸印を、6×4.5判カメラによる原寸大の白黒写真(特に重要なものはカラー写真)として撮影した。また印色の記録の為、それぞれ35ミリ・カラースライドして記録した。さらに、鑑定上の必要に応じて作品の絹、紙を35ミリカメラによる拡大写真撮影も合わせて実施した。また、調査に当っては、今後の研究の進展の為、原則として、書画家の落款も合わせて原寸による写真撮影をおこない、これを記録した。その理由は、書画家の落款は印と不可分のものであり、印の真偽、使用の時期を判断する上で極めて重要であるからである。
調査により収集した諸印の原寸大焼付写真資料は、従来、収集整理した写真資料と同様にB6判のカードに貼り、それぞれ基礎データを記入し、画家、書家、収集家、賞鑑家別に分類し、諸印の真偽の問題、さらにその用印年代を検証し、それらの結果をデータベース化をふまえて整理した。
本研究により、「日本に現存する書画家印・鑑蔵印の研究」、「日本に現存する書画家印・鑑蔵印の編年的研究」の最終段階として、今後に予定している「日本に現存する中国の書画家印・鑑蔵印と落款の比較研究」、さらに、最終的には『日本現存中国書画落款印譜』作成の為の基礎を作成することができたといえる。
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