研究課題/領域番号 |
06451019
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
利島 保 広島大学, 教育学部, 教授 (20033566)
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研究分担者 |
吉田 弘司 広島大学, 教育学部, 助手 (00243527)
中邑 賢龍 香川大学, 教育学部, 助教授 (70172400)
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キーワード | 認知的リハビリテーション / 神経心理学的評価 / 認知障害 / 脳損傷 / 脳性麻痺 |
研究概要 |
本年度は、マイクロコンピュータによる認知的神経心理学検査の開発を行うことを目的として、1.日常物品や人の顔の2次元画像写真を種々の空間周波数バンドパスフィルターにより処理した刺激の同定課題である視覚的解像能検査、2.色形次元からなるターゲット対象を複数の刺激群から検出する視覚的探索課題、3.ターゲット刺激を埋もれ図形から抽出する図地分節検査、4.視覚的空間内でオン、オフする刺激を検出する視覚的注意課題、5.重ね図形に含まれるターゲット刺激の抽出が先行提示刺激により活性化される機能を検査するプライイミング検査の5種類を作成した。そして、視覚的解像能検査は相貎失認患者や右損傷患者の傷害特性を検出する検査、視覚的探索課題と視覚的注意課題は主に半空間失認患者の特性を検出する検査、図地分節検査とプライイミング検査は種々の脳損傷患者群、健常老人群及び健常若年成人群の視覚的体制化機能と短期記憶機能を検出する検査として有効であることを見いだした。さらに、脳性麻痺患者にこれらの検査を適用するためには、彼らの応答反応をマイクロコンピュータに入力する手段としてアップルコンピュータコンピュータ用に開発されたインタフェースKINEXの有効性が確められたので、来年度は脳損傷者用に開発された上記の検査を適用し、彼らが認知機能を診断する方向で研究を進める予定である。また、視覚的探索課題を用いた半空間失認患者の視覚機能障害特性につての研究は、1994年にマドリッドで開催された国際応用心理学会で、視覚的注意課題を用いた脳損傷患者の研究は、第53回日本心理学会においてそれぞれ発表された。
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