研究課題/領域番号 |
06451024
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋藤 久美子 京都大学, 教育学部, 教授 (70046457)
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研究分担者 |
名取 琢自 京都大学, 教育学部, 助手 (10252412)
河合 俊雄 京都大学, 教育学部, 助教授 (30234008)
岡田 康伸 京都大学, 教育学部, 助教授 (90068768)
山中 康裕 京都大学, 教育学部, 教授 (30080162)
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キーワード | 観察機能 / 「母親-幼児映像」刺激(VRS-IM) / 映像観察 / 印象形成 / 長期縦断観察 / 臨床家教育訓練 / 平等に漂うスキャニング |
研究概要 |
6年度より開始した一般家庭母子ペアの訪問観察は、長期縦断観察をめざし現在まだ継続中である。定期的に行っている「ビデオ検討会」では、各母子ペアの個性が豊かに現れていることと、各回毎に微細な点を含めて、子どもの行動と対人的関係性、またそれへの母親の応答をめぐって新たな発見があることを確認した。その発見は既存のマーラー理論が教えているものを超えて,様々に微細な点にわたっている。 蓄積されたビデオ記録素材を、熟練臨床家が吟味し、観察機能の教育訓練に適切な情報価を持つ素材ユニット作成-4〜5組の母子交流の映像(各1分前後)を約4分に編集して1単位としたもの-を試みた。次に複数ユニット(2〜3)で構成された「母親-幼児映像」刺激(Video Recording Stimuli of Infant with Mother: VRS-IM)を呈示し、刺激印象の記述(非構造化、半構造化、構造化された記述様式)を求める映像評価調査を行った。対象は臨床心理学の学習経験の異なる群および隣接領域学習経験群で、総数約120名である。 本調査から、「観察視点」「観察内容」「観察様式」「観察体験」のカテゴリーに類別される72項目の観察記述指標を抽出した。この指標により観察記述データを分析し、観察機能を規定する緒要因について統計的有意差が認められ、因子分析的にも指標の有効性が確認されると共に、今後VRS-IMを用いて臨床家の教育訓練を行うことの有効性が示唆された。同時に施行した「内的愛着表象」質問紙、およびロールシャッハテストとの連関を分析し、本調査独自の特性が認められた。 今後、更に観察データの検討を進めること、および今回得た知見をいかに具体的な臨床事例に対応させていくかが課題として残された。
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