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1994 年度 実績報告書

情動制御能力に及ぼす文化型の影響と母子相互作用:在日韓国人を対象として

研究課題

研究課題/領域番号 06451028
研究種目

一般研究(B)

研究機関大阪学院大学

研究代表者

荘厳 舜哉  大阪学院大学, 経済学部, 教授 (10121732)

研究分担者 亀島 信也  日本社会事業大学, 社会福祉学部, 助教授 (90241108)
キーワードアタッチメント / 在日韓国人 / 比較文化研究 / 遊び / コンクリフト
研究概要

当初予定していたアタッチメント研究は,在日韓国人の被験者が零細企業に従事していることが多く,大学内の施設まで来てもらうという事が不可能で,結局これを取りやめた。代替手段として研究対象を幼稚園児に切り替え,現在研究は進行中である。
日本側においては,従来からの継続観察に参加している母子の観察が,これも現在進行中であるが,合計13回の縦断研究の内,13カ月齢,18カ月齢,24カ月齢,30カ月齢の分析が終了し,韓国で実施している比較文化研究のデータとの突き合わせをおこなうために,途中を飛ばして60カ月齢と72カ月齢の分析がおこなわれている。従って,現在実施中の在日被験児との比較対象になる日本人被験児の行動分析が終了していないので,この時点で結論めいたことは言えないが,観察を通じての印象としては,現在帰属する分化環境の要因の方が,子どもの行動の上に大きな影響を与えていることが伺われる。
具体的に述べると,母親の子どもに対する接し方は明らかに母国韓国に居住する母親のそれと異なり,たとえば子どもの性差に影響される様子は見い出されない。但し,日本の母親には親があまり口を出さずに,子どもの自主的な遊びを側面から援助しようとする姿勢が目立つのに対して,母親が意図した遊びの方向に指導しようとする姿勢がやや目立った。
一方,アタッチメント実験をおこなうことができなかったので,これも確定的なことは言えないが,子どもの側の自主性も,同年齢の日本の子どもに比較してやや勝っているような印象があった。具体的には母親に過剰な接触を求めず,遊び内容を自主的に決定する傾向があった。このようなことから,母子の間のコンフリクトは日本の母子のそれよりもやや強いのではないかと推測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 荘厳舜哉: "文化と社会的行動を総合するための発達心理学研究のパラダイム:縦断研究の異文化間比較がなぜ必要か" 発達心理学研究. 第5巻. 165-168 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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