1970年半ばから90年代の初頭までの首都圏内市区町村別死亡率、有病率、受療率、事例出現率などの時空的分布の解明、ならびに、それらと地域および地域住民の社会経済的特性変数との地域相関の分析に向けて、地域別年次統計データの収集と入力を行った。 一方で、国内外における関連文献の検索と検討を行った。特に、欧米のこのテーマでの研究には蓄積と系統性があり、研究・分析方法の点でも、健康とケアにおける社会的格差・不平等の形成メカニズムをめぐる理論や議論の点でも学ぶべき点が多かった。これらの文献レビューの結果は、近くレビュー論文としてまとめ発表する予定である。また、文献レビューを通して、本研究でも、上述の地域別統計データによる地域相関分析(生態学的アプローチ)以外の研究を取り組む必要性とその有効性、そしてその実施可能性が強く意識されることになり、今後の研究計画中に、新たに世帯業態別統計の分析と既存の調査データの再分析を組み入れた。
|