本年度はこれまでの研究成果の一部として、関西のある私立大学経済学部4回生全員(633名)を対象にしたアンケート調査(平成7年1月実施)の結果をまとめた研究報告書(『「大学と企業」との関係についてのアンケート調査』)を作成した。 以下その報告書の内容を、(a)進路選択、(b)企業社会についての評価、(C)大学生活の3項目にわけ、得られた知見を項目ごとに箇条書きにして示す。 (a)進路選択 (1)大学・学部を選ぶときには、卒業後の進路のことをあまり考えない(大学・学部を選ぶとき、卒業後の就職や進路のことを考えなかった学生が約8割)、(2)進路について考え出すのは3回生からである(半数を越える学生が3回生からと答え、4回生になってからと答えたものも4割近くいた)、(3)大学での勉強は進路の決定に影響しない(影響しないと答える学生が6割を超えた)。なお回答者は経済学部の学生なので、就職したい業種の第一位は「銀行」であり、職種の方の第一位は「営業」であった。 (b)企業社会についての評価 (1)7割位以上の人が大学間差別を感じた(私立大学の学生ということもあるのか、大学間差別を感じなかったと答えたものは1割に満たなかった)、(2)男女差別を感じた人は7割以上いた(男女を問わず差別を強く感じた学生は半数近くいた)、(3)企業については冷めた態度をもつ(「企業とはこんなもの」と見る学生が7割近くいた)。 (c)大学生活 (1)最も力を入れたのはクラブ・サークル活動である(4割の学生がクラブ・サークルに最も力を入れたと答えた)、(2)大学生活にはほぼ満足している(7割の学生が「満足」と答えた)。
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