1 本年度はトマス・アクイナスおよびライプニッツに関する全集など、および文化史・文化社会学関係文献を収集し、それらの文献研究に従事した。平成7年度研究計画調書(継続)に記載したとおり、「自然法」概念の近代への意味に関する研究は諸外国において人文科学・社会科学の全体の中であらためて注目を浴びつつあり、継続・促進の必要性を再確認することができた。 この作業は来年度以降も対象を慎重に拡大して継続する。 2 研究代表者は平成7年度中に先に発表した「ライプニッツ論(第一部)」の続稿である「ライプニッツ論(第二部)においてスコラ学から啓蒙主義への転換点にあたっての自然法思想について成果公表予定である。 3 研究分担者も平成7年度中に近世中国文化圏の位置づけに関する成果公表を予定している。 4 本年度は別紙様式5に記載した論文「人文科学とコンピュータ」を発表した。その中で、本年度から利用開始した"Index Thomasicus cum Hypertextibus"および学術情報センター事業やインターネット等の利用紹介を通じてデータベースの社会的整備が人文・社会科学にとって大きな可能性を開くものであること、同時に当該分野の研究者の関心事となるべき問題であること、およびその際の留意事項等について論じた。
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