研究概要 |
平成6年度より8年度にかけて、千葉県,鹿児島県,東京都の三地域を対象に,(1)在宅における高齢精神薄弱者の現状と課題,(2)施設における高齢精神薄弱者の現状と課題等を明確にし、今後の高齢精神薄弱者の福祉支援ネトワークの構築を試みてきた。基本的な調査研究として,次のような内容を実施してきた。すなわち,(1)精神薄弱者施設関係の施設並びに職員に対して,「精神薄弱者の高齢化の実態とその支援及び今後の課題等」を中心とした主要調査項目でもって,アンケート調査及び聞き取り調査を実施した。(2)精神薄弱者の保護者に対して,「介護,保護状況,施策に対する要望等」を中心とした主要調査項目でもって,アンケート調査及び聞き取り調査を実施した。(3)ケース・スタディとして,三地域でもって,高齢精神薄弱者の高齢化に関連して援助活動を展開している機関・施設の協力者を得て,調査研究を実施した。最終年度である本年度は,上記(1),(2),(3)の調査研究を基に,この三地域から各地域一施設ずつを「ケース・スタディ」として挙げ,「高齢精神薄弱者の実態とその支援課題」「保護者のニーズ」,「職員の意識」,「乳幼児期,学齢期,青年期における支援の重要性」等を中心に整理し,「研究成果報告書」を作成した。千葉県については「A精神薄弱者更生施設にみる高齢化の実態とその支援課題」,鹿児島県については,「B福祉作業所にみる高齢化の実態とその支援課題」,東京都については,「世田谷区内におけるクラブの障害者支援活動の試」等である。尚,今後,「日本社会福祉学会第45回全国大会(平成9年)」・「聖カタリナ女子大学研究紀要第10号(平成10年)」等に,研究成果の発表を行ってゆく予定である。
|