研究課題
一般研究(B)
高等教育の大衆化にともなって大学の多様化が進んできたことはいうまでもない。その多様化の構造を把握することなしには、現代日本の高等教育システムの特質を理解できないばかりではなく、今後の18才人口の減少に際して、日本の高等教育システムがどのように変容していくかも明らかにすることはできないだろう。そのような観点から本研究は、個別大学について、(1)大学の組織形態(2)教授団と教育機能 (3)教育機能と学生 の三点にわたって、情報を収集し、これを分析することを目的とした。具体的には、以上の点にわたってデータベースを作成し、これにもとむいて、様々な側面から大学の分布を測定した。その結果、以下の点があきらかになった。即ち、(1)日本の大学は様々な点において分化しているが、特に私立大学については、新制大学時に大学となった第一世代大学、1960年代からの0年中ころまでに設置された第二世代大学、それ以降に設置された第三世代大学、の三つの分類によって様々な行動の違いが比較的よく説明される。(2)特に財政面からみれば、第一世代のうち中核的なt大学が独自の行動を示しており、これは国立大学との競合から生じたものと考えられる。第2世、第3世代大学はむしろ授業料を高水準に維持してきた。しかしそれは今後は急団に困難となる。(3)入学難易度については、第一世代、第二世代、第三世代の順にペッキイング・オーダーが生じており、それはあまり変化しない。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)