この研究は平成4年度と5年度の2年間に渡って実施してきた科研費の研究の継続で行っているものである。平成4、5年度では既に試作された聴覚障害児用言語力評価テスト「ガエルテスト」を聾学校小学部児童に実施し、テスト方法の検討および聾学校児童の言語能力について分析した。今回の科研費は平成6年度と平成7年度の2年間のものであり、通常学校に在籍している難聴児および健聴児のデータを収集しながら、このテストを完成させ、できれば標準化までもっていく計画である。 平成6年度ではガエルテストの実施方法の検討と難聴児のデータ収集が主たる研究目的であった。まず、これまで収集したデータを分析し、かつ実際のテスト場面からの問題点を抽出してガエルテストの実施方法について検討を加えた。その結果、テストの実施方法について数箇所修正した。また、このテストはこれまで聾学校小学部児童を中心にデータを収集してきており、難聴児のデータが欠落していた。そこで、平成6年度では長野県および横浜市内の通常学校に在籍しており、言語障害学級または難聴学級で指導を受けている難聴児を対象にテストを実施した。その結果、小学校15校の1年生から6年生までの難聴児64名のデータを収集できた。さらに小学校1年生から3年生までの健聴児40名を対象にガエルテストを実施した。目下、収集したデータを分析中である。平成7年度では健聴児のデータをさらに収集し、平成4年度から集積してきたデータと合わせて分析する予定である。そして分析した結果から、このガエルテストの標準化を試みる予定である。
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