研究概要 |
本研究では、世界的な景気後退期のなかで、先進諸国の援助政策一般、なかでも教育援助政策がいかなる課題に当面しているのかを分析した。先進諸国の教育援助政策の基本的な方針を決定する上で、影響力のあるいくつかの国際機関を取り上げ、そこでの議論の動向を分析した。OECD(経済開発協力機構)のDAC(開発援助委員会),ユネスコ、UNDPなどでの議論の動向を中心に分析し、「転換期を迎える教育援助政策」、「世界の教育とユネスコ」、「教育開発・教育協力援助の研究課題」、「国際援助政策の動向と日本の地位」として報告した。それと平行して、世界全体での援助動向についての計量的な分析を実施し、その結果を「国際援助政策の動向と日本の地位」として報告した。ここでは、クラスター分析を用いて、先進諸国が大きく「経済援助中心型」、「社会開発援助中心型」などに分類できることを明らかにした。また同様な手法を援助受入国に適用し、援助受入れタイプとして、一国圧倒型、分散型、混合型などのタイプに分かれることを明らかにした。その分析結果を「援助受取形態からみた開発途上国170カ国の諸類型」として科学研究費補助金報告書に発表し、あわせて名古屋大学大学院国際開発研究科のホームページ上にも発表した。また実際の援助受け入れ国での実状を分析し、その結果を共同研究者の報告として“People′s Participation is a Process for Sustainable Development"、「カンボジアの子供と教育」、「中等教育拡大における私立学校の役割」として発表した。
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