研究課題
一般研究(B)
本研究は、教育改善を行う一般大学の研究手法をもとにして、卒業生からみた看護系大学教育の評価について看護系大学教育の目的と理念、卒業時の到達度、看護実践能力獲得という視点を用い、卒業生の受けた教育に対する意識調査を行うものである。その結果から、一般大学教育との比較を通して、看護系大学教育の現状とその特色を明確にし、今後の看護系大学教育における高等教育の充実を図るための基礎資料を得ることを目的としている。今年度は、「看護教育」「教育課程」「評価」「教育目標」などのキーワードから国内外の関連する研究や文献の検索をし、文献検討の結果を受けて、各関連因子を明らかにした。各関連因子とは、「個人の特性」「専門学歴(受けた看護大学教育)」「大学卒業時の到達目標」「現任教育」「自己教育」「看護に対する理念」「看護実践上の役割」「職務上の障害」「関連要因」「解決策」「課題」であった。それらの各関連因子の関係を図式化し、研究の枠組みを作成した。また、各関連因子が包含している内容について検討し、特に「大学卒業時の到達目標」にはどのような要素が必要で、どのように表現されるかが、今年度の研究では明確になった。研究の枠組みから調査用紙の原案を作成し、プレテストを実施した。その結果から修正、加筆を行い、調査用紙の完成に至った。特に、大学卒業時の到達目標がどのように看護実践上の役割と関連づけられているのかについて、事例をもとにして質問を作成した。来年度は調査用紙を送付し、データの収集・分析をする予定である。