研究課題
一般研究(B)
平成6年度には、当初の計画どおり、研究全体の枠組みの構築、研究分担者打ち合わせ会と専門家を招いた研究会の開催、及び「コミュニティ開発型市民カレッジ」に対するアンケート調査、資料収集、ケーススタディを行った。これらの作業から得られた主な知見は次のとおりである。1.「コミュニティ開発型市民カレッジ」が地域的な効果を生むために、現状では(1)教育過程における地域活動の必須単位化、(2)修了生に対するボランティア活動等の情報提供の体制整備、(3)講座企画への市民の活用、などの手法が中心となっている。2.さらに、これらの手法の成果を最大化させるためには、地域活動・ボランティア活動に関する場の創出や情報の提供について、各行政部局間や民間団体も含めた、地域全体での連携・協力体制が不可欠の条件となる可能性が高い。3.市町村の市民カレッジでは、実施主体となる機関が直接に学習講座等を企画・提供するケースが多いのに対し、都道府県の市民(県民)カレッジの場合は市町村や民間・大学等の学習講座に単位を与えてネットワーク化・メニュー化し、それらの単位の累積を修了証などによって評価する仕組みが目立つ。次年度以降は、第一に「コミュニティ開発型市民カレッジ」における学習者の意識・行動の変化過程の分析を行い、第二にその成果と今年度の成果を踏まえて学習活動と地域活動の行動連鎖モデルを構築し、地域における生涯学習の効果を高めるための方法論を検討する予定である。
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