研究課題/領域番号 |
06451068
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
深澤 克己 九州大学, 文学部, 教授 (60199156)
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研究分担者 |
川勝 賢亮 九州大学, 文学部, 教授 (70037000)
中村 質 九州大学, 文学部, 教授 (50069457)
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キーワード | 国際商業史 / 商人文書 / 為替手形 / 国際金融 / 貨幣流通 / 貨幣市場 / 宗教的少数派 / ディアスポラ |
研究概要 |
1.代表者(深沢)は当該テーマに関する文献・史料目録の作成を進め、その中間結果を分担者(中村・川勝)と話し合い、三年間の研究計画について討議・確定した。 2.代表者はフランスに渡航し(旅費・滞在費は村田学術振興財団から援助を受けた)、フランス各地の港湾諸都市を訪問し、古文書館での史料探索・収集を実行すると同時に、港湾・商業施設を中心とする歴史建造物を系統的に写真撮影した。史料のマイクロフィルム・フィッシュは帰国後プリント・製本し、写真についてはスライド映像資料に作成した。 3.上記の史料収集により、すでに作成したマルセイユの「ル-商会文書」の為替手形に関するデータ・ベースを補完・拡充し、本年度に購入したコンピュータを用いて分析を進め、その成果の一部を雑誌論文として公表した(研究発表欄参照)。オスマン帝国の商港とヨーロッパ全域の貨幣市場を結ぶ金融ネットワーク、およびそれを支えるフランス人・ユダヤ人・ギリシア人などの貿易商人のプロソポグラフィの解明が新たな知見である。 4.分担者は東京都と国内各地で史料収集を進め、中村は琉球史料『歴史宝案』および『唐通詞会所日録』、川勝は『唐蘭風説書』をそれぞれ主要史料とする論文を執筆した。 5.フランス・ヨーロッパ国際商業史関係の同時代刊行物・研究文献の収集を開始し、購入に成功したその一部を納入させた。特に18世紀に刊行されたリカ-ル著『アムステルダム商業』および19世紀前半に刊行された『商業・商品辞典』の獲得は貴重である。研究文献についてもケプラン著『東インド会社とフランソワ・マルタン』(1908年刊)ほか重要な成果があった。またユダヤ商人の国際ネットワーク研究の作業道具として『ユダヤ人百科事典』を一括購入し、地中海の長期的持続の射程を考察するために、不足している古代史関係の基礎文献も一部補充して、今後の一層広い研究体制作りに備えた。
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