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1995 年度 実績報告書

近世領域国家における中心都市の形成

研究課題

研究課題/領域番号 06451069
研究機関京都橘女子大学

研究代表者

瀬原 義生  京都橘女子大学, 文学部, 教授 (30066534)

研究分担者 小野 浩  京都橘女子大学, 文学部, 助教授 (40204250)
浅見 直一郎  京都橘女子大学, 文学部, 助教授 (10231903)
越智 武臣  京都橘女子大学, 文学部, 教授 (70025021)
キーワード都市 / 領邦国家 / 宮廷 / 官僚
研究概要

本研究は、中世都市と近・現代都市の中間的存在としての近世都市の特徴を摘出し、その過痩性を明らかにすることを目的とした。そのさい、近世ドイツ領邦国家の首府として成長し、現代ドイツ有数の大都市であるベルリンとミュンヘンを研究対象に選んだ。両都市の生成を考察してえた結論を摘記すれば以下の如くである。
ベルリン、ミュンヘンともその起源を12/13世紀に遡るが、ともに市場町として発達し、商人、手工業者の急速な台頭がみられた。14世紀には相当な程度の市民自治体制が形成され、とくにミュンヘンの場合、塩商人を中心とする市民自治が近代に入るまで保持されるが、それはもっぱら都市領主支配の脆弱さに負うものであった。15世紀に入ると、領邦国家支配が強化され、領邦君主が両市政に介入し、ついにこれらを領邦都市へと転換させた。これ以後は国家による都市統制が貫徹されるが、とくにベルリンでは、18世紀プロイセン王国の成立とともに、増大する官僚層と軍隊、それらに補給を行う織物マニュファクチュアの出現によって、市街の様相、市民の生活様式は近代的なそれへと一変した。宮廷や中央官庁の群集によって、都市に重厚な景観が与えられた点は、両都市とも共通している。
このいわばベルリン型、ミュンヘン型ともいうべき近世都市の成長コースの型を他の近世領邦国家首府に当てはめてみると、ザクセン大公国のドレスデン、ヘッセン方伯領のカッセル前者に、ハノ-ヴァー〓定侯国のハノ-ヴァー、ヴュルテンベルク大公国のシュトゥットガルトなどは後者に分類でき、それらはいずれも中世都市から近・現代都市への変貌過程を見事に示しているのである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 瀬 原 義 生: "ドイツ中世の日常生活" 刀水書房, 205 (1994)

  • [文献書誌] 瀬 原 義 生: "ヨーロッパ中世末期の民衆運動" ミネルヴァ書房, 390 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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