研究課題/領域番号 |
06451077
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
樫原 修 広島大学, 総合科学部, 教授 (50132064)
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研究分担者 |
中山 富広 広島大学, 教育学部, 助教授 (50198280)
頼 祺一 広島大学, 文学部, 教授 (50033494)
藤井 守 広島大学, 総合科学部, 教授 (30033517)
朝倉 尚 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033231)
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キーワード | 森鴎外 / 北條霞亭 / 史伝 |
研究概要 |
本年度は初年度に引続き、資料調査・収集活動に力を注ぎ、かなりの資料を収集し得た。特に北條・高橋家文書に関しては、未整理の文書に取り組み、整理・目録作成を行い、重要と思われる資料の写真撮影も行った。ただし、文書の量が大量であるのと、個人蔵であることから、それらの作業はいまだ継続中である。また、収集資料を読み解き、考察していく作業も中途である。一方、廉塾との関連で、管茶山記念館とも研究交流を行い、資料も借覧した。こうした作業の過程で、北條霞亭自身の作品に関する重要な資料が見つかったし、興味深いものも見出せ、北條・高橋家文書の重要性が確認された。鴎外は、北條・高橋家文書を直接見られず、筆写(あるいは筆写の筆写)に拠っているというのが我々の見方だが、そうした見方に疑問を呈するような見解が管茶山記念館学芸員の佐藤一夫氏によって示された。その結果、斯道文庫所蔵の浜野文書の性格を確認するという新たな課題も生じた。 また、作中の事項に関する、注釈に立脚した考察に関しては、研究会を開くなどして進めて来たが、これも現在継続中である。現在までのところでも、霞亭の事跡に関する鴎外の考察にかなりの混乱や誤解のあることが確かめられた。また、福山藩関連の地名・人名・漢詩文に関連する事項についても、従来の注釈が未詳としていたり、誤った記述をしていたりしたものを、相当程度に明らかに出来た。これも、分量が膨大であるので、計画年度内での完成は覚束ないが、出来るだけ多くの事項に検討を加えたい。
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