研究課題/領域番号 |
06451083
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
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研究分担者 |
菅野 賢治 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (70262061)
岩切 正一郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (60262060)
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50188942)
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
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キーワード | レトリック教育 / 薔薇物語論争 / パスカル / ネルヴァル / ランボ- / ジャコテ / ペギ- |
研究概要 |
前年度の研究を踏まえ、各時代のレトリック教育・レトリック認識と、文学創造との接点を探る試みを行った。具体的には、 1)中世フランス語において、宮廷風恋愛抒情詩の文体とは異なる、学問的著作に適した独自の文体が「薔薇物語論争」やラテン語文献の仏訳を通じて創出されたのではないかという伝説の検証を行った(月村)。 2)ガリカン派レトリックにおいて最大の課題であった、古代の著述家を典拠として引用しつついかに著者の独創性を発揮するか、という問題を17世紀の宮廷・サロンのレトリックとの関わりにおいて、またパスカルの『プロヴァンシャル』の分析を通して考察した(塩川)。 3)ロマン派が、そのレトリック嫌悪にもかかわらず独自のロマン派的レトリックを創出したのではないか、という伝説を、ユゴ-、ネルヴァルのテクストに即して検証するとともに、同時代から隆盛を見た新聞と文学作品との関係を把握する研究を行った(田村)。 4)習得したレトリックの素朴な模倣から、独自の詩的言語の確立に至る過程を、ランボ-のテクストに即して検証するとともに、その詩学の形成において果たしたヴェルレ-ヌの影響、実践的《教育》の意味を探る試みを行った(中地)。 5)伝統的ならびにロマン派的レトリックが、現在のフランスにおける詩的レトリックと切り結ぶ関係を、ジャコテの詩学を分析することにより考察した(岩切)。 6)ペギ-とドレフュス事件を中心に、文献資料と伝記との間に横たわるレトリックの問題を考察し、さらに第二次大戦下におけるユダヤ人問題と文学作品によるその表象との関係にまで考察の対象を広げ、検討を加えた(菅野)。
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