本(平成8)年度は、前年度に引き続きパーソナル・コンピューターMac 7100/66AVとイメージ・スキャナーGT-9000RT、およびそれらの周辺機器とOCRのソフトOmni Pageおよびコンコーダンス作成用のソフトとしてのNisus Writerを用いてLe Roman de Ren artのデータベース化の作業を継続した。本年度も中川弘正氏(広島大学留学生センター助教授)および広島大学文学研究科博士課程後期在学中の重見晋也氏(フランス語学フランス文学専攻)を研究協力者として得ることができた。 昨(平成7)年度、上記データベースの一部をインターネットの広島大学文学部フランス語学フランス文学教室のホーム・ページで公開し、世界じゅうの研究者が利用できるようにしたが、本年度も引き続きこれを拡大した。この公開データベースには早速国内外の研究者が多数アクセスし、中には自分のパソコンにダウンロードして利用している人もいる。これらの研究者から種々の意見が寄せられている。中でも、このデータベースのデータの容量を増大して欲しい、という希望が目立っている。 本研究課題による研究成果の紹介として、平成8年7月13日に開催された広島大学フランス文学研究会の席上で、前述の中川正弘氏、昨年度の研究協力者前田弘隆氏(広島商船高等専門学校助教授)と共同で「中世文学研究におけるコンピュータ利用」と題する研究報告を行った。さらに、平成8年7月22-25日に慶応義塾大学で開催された国際動物叙事詩学会東京大会の席上で、Numerisation du Roman de Renartと題する研究報告も行った。
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