研究課題/領域番号 |
06451090
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木部 暢子 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (30192016)
|
研究分担者 |
中島 祥子 鹿児島大学, 教養部, 講師 (80223147)
太田 一郎 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (60203783)
|
キーワード | ネオダイアレクト / 新方言 / 地域共通語 / 方言意識 / 枕崎市方言 / 都城市方言 / 鹿児島市方言 |
研究概要 |
すでに平成6年度の鹿児島市調査で、鹿児島地域における「地域共通語」の実態を明らかにした。本年度は、「地域共通語」がどの程度広がりを持つのかを明らかにするため、平成7年度に行なった枕崎市調査と都城市調査の試料を分析し、三地点の言語実態を比較検討した。その結果、以下の点が明らかになった。 (1)三市の比較では、鹿児島市、都城市、枕崎市の順に共通語化が進んでいる。 (2)枕崎市・都城市では、鹿児島市の若年層に広まりつつある新語形、ナカッタデシタ(なかったです)、デスヨ・ダヨ-(相槌)、ヤスクデ(安価で)の使用率が全体としてはまだ低い。しかし世代ごとに見ると若年層にはかなり受け入れられており、鹿児島市で生まれた「地域共通語」が枕崎市・都城市の若年層にはいち早く受け入れられている。 (3)〜ガナラン(不可能)、カセン(貸さない)、ネッタ(寝た)、〜セ-(〜してから)などの鹿児島特有の文法現象は、鹿児島市の若年層ではほとんど使用されなくなったが、枕崎市では若年層もまだ使用している。 (4)都城市は枕崎市に比べると鹿児島市の影響を受ける度合いが小さい。しかし(2)で述べたように、都城市の若年層には鹿児島市のことばが確実に定着しており、いまだに鹿児島市の影響下にある。 (5)これに関連して、都城市ではチャガ-・ジ-(伝達の文末詞)などの日向方言が予想した程には入っていない。
|