研究概要 |
(1)当研究費受領前に、二冊の本が英語とフランス語によって出版された(1993年)。その本の書評が本年フランスで最も長い伝統をもつ『パリ言語学会誌』(Bullc tiu de la Societe de Linguistique de Paris,Tome LXXXIX,1994 Fascicuk2,P12-16)に出た。著者のつけた序文の指摘が正しいとする見解があり,人文科学領域において,日本から発信する学問という我にの努力が認められた例の一つになると思う。 (2)名古屋大学文学部象徴研究会の招きにより,今年1月に『ソシュールヒフッサール』と題する研究発表があった。なお,今年7月には同大学に集中講義に行くことになった。 (3)この研究の主な目的の一つは,明治以来の翻訳と紹介記事とを中心とした海外からの受信型文化を,発信型に切り換えることであった。人文科学方面では,日本人研究者はそれなりの高い知識をもっていながら,それを海外に知らせようとする努力をおこたってきた。本会は欧文年刊誌FENESTRA(窓)を毎年3月に発行し,特に日本の国語学者の論文を,英訳または仏訳に発表したいと思う。今年度はすでに5本の論文が集まり、間もなく出版される。
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