研究概要 |
この研究の出発点は言語学者ソシュールの残した自筆原稿や学生の講義ノートを研究者自身がマイクロフィルムに撮影し、そこから研究することであった。この段階で我々にわかったことは、マイクロフィルムの作製は専門の技術者にまとせるよりは,研究者が自分で撮影した方がはるかに安価で,上質のものができるということだ.次の段階でこれを全国の研究者に公開した.そのためにマイクロフィルムを長巻のままとせず、紙に定着させページ化した上で、分類目録を発行して、検索しやすくした.その結果,この資料集から多くの論文や本が生れた。自分自身の着手した著者は外国でも幾つかの書評の対象になったが、日本国内では大学院の教科書に使われた.また同書の英訳版は補遺を伴なって全三巻として英国のパ-ガモン書店より発行された(二巻まで既刊)。欧文研究誌FENESTRAはこれらの研究の成果を海外に発信するために企画された。ソシュールの『一般言語学講義』は言語学の原稿であり、また一方で言語学に限らず他の多くの分野の研究者に刺激を与えた。この研究誌の発行を通じて,全国の多くの学者・研究者とネットワークを組むことができた。
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