研究課題
1各研究分担者は、当初の計画に沿って未収集の文献・資料の収集を漸次発注、分担テーマに関する文献・資料等についての目録あるいはデータ・ベース作成に向け準備を行なっている。2並行して研究分担者は各自の研究枠組みを作成、それを基に順次研究会において検討・意見交換を行なっている。今期は、1980年代以前の日本・および80年代の他国(とくにアメリカを中心に)との比較分析に研究の重点が置かれた。(その成果として裏面記載の著書の他、1970年代日本についての論文を発表する準備を進めている。)3以上の作業を通じて、1980年代の日本経済については下記の通りの暫定的知見が得られた。(1)1980年代を通じて各政治勢力間の政策オプションの幅が加速度的に収束しつつあること(2)第二臨調や対米経済交渉のような、「参加アクターの拡大」「(民主的統制)外部の権威」に特徴付けられる70年代までとは異なる政策決定パターンが各政策分野において制度化・波及しつつあること(3)国家の手になる政策リソースは70年代に引き続き縮小しつつあり、それに伴って各省庁間の共管事項が増加すると共に、政策決定に要する時間も増加傾向にあること(4)以上の政策体系の変容は、政治システムへの入力形態・政府-非政府セクター間あるいは中央-地方間のポリシ-ネットワーク・当該政策分野での政治化のありかた・当該政策分野における政策遺産と組織ドメイン、の4つの視角からモデル化の可能性があること上記の諸点を含めて、本年度はさらに理論・政策分析の洗練をさらに進める予定である。
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