本年度は、第1に研究の準備作業として、戦後の政党政治のアウトラインを再点検するために、戦後の政党政治史を、55年体制以前、55年体制の成立・発展期、55年体制の崩壊期の3つの時期に区分し、それぞれ関係資料の検討を行いつつ、その基本的な軌跡を概観・整理した。第2に、第2次大戦直後、昭和20年から30年までの保守政党に関する基本的資料が充分に収集されていない現状に鑑み、当時の代表的な保守政党である日本自由党、民主自由党および自由党に関する資料の収集および整理を行った。あわせて、研究代表者が従来より進めていた関係者からのヒアリング資料等の整理を進めた。これらの成果の一部は、『北陸法学』第2巻第1号および第2号において取りまとめれたところである。まず、日本自由党については、新党結成準備から野党宣言までの経過、党運営、基本政策、党人事、憲法改正への対応、保持新党運動などを中心に検討した。民主自由党については、結成から解党までの経過、党運営、基本政策、党人脈と官僚派の対立を中心に検討した。また、自由党については、来年度、『北陸法学』に継続して発表される予定である。第3に、戦後政党の組織および人事に関する基礎的資料の蓄積を進めた。ここでは特に、主要政党の党組織(執行機関・議決機関・地方組織)および役員人事の変遷を中心として資料の収集および整理を進めた。来年度は、引き続いて戦後政党の組織・人事に関する資料の収集・整理を行うとともに、政党の政策および政策決定に関する資料の収集・整理を進める予定である。
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