研究概要 |
1台湾経済の基礎的統計資料の収集と整理の作業を続けて行った。今年度は比較的注目される対外直接投資と外資・華僑(海外華人)資本の産業別、地域別の統計整備に力を入れた。 Statisics on Overseas Chinese & Foreign Investment,Outward Investment,Indirect Mainland China Investmentがそれである。この面の整理はなお進行中であるが、近着の1994年版Economic Statistics Annual,Taiwan Area(Ministry of Economic Affairs刊)を加えて、研究成果の中間報告を「台湾統計資料集」(仮称)として早期に公表する準備を進めている。 2一方、Social Equity分野のEqual Opportunity for Economic Activities,Education and Human Capital,Social Insurance Scheme and National Welfareにおいては、統計整備の立ち遅れもあって、資料収集は継続している。とりわけ、日本と中国との比較のための基準設定に、両国との整合性をはかる作業が、連携者の伊藤教授(大阪府立大学、日本経済分析)とDr.Tien-tung Hsueh(Chinese University of Hong Kong,中国経済分析)との作業と並行する必要から、引き続き取り組み中にある。年内の完成を目指して連携関係を引き続く確認である。 3以上の作業と連動する形で台湾経済論や中台経済投資関係、日台経済貿易関係、さらに華僑・華人経済圏の実証分析とフレームの構築に力を注いだ。台湾経済が終戦直後から一つの国民経済として生まれる過程における日本の役割、NIES化以降の対中国接近、ポスト冷戦期移行の地域主義への参加等々に対して、韓国との比較分析を通じて、台湾経済をめぐる国際環境変化の重大性とその全体構図が浮き彫りできたと思う。この研究成果は大きいと考える(研究発表欄を参照)。
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