研究概要 |
アメリカ経済の空洞化,日米経済摩擦,日本からアジアへの直接投資,日本経済の空洞化の不安といった流れを数量的に促えることを目的としている。そのために, (1)SITC5桁まで細分化したレベルの貿易データを取り出し,加工して,貿易構造の変化を促える。それと,日本企業の海外進出データとを統合する。 (2)簡単な計量モデルを作成して,マクロ的な動きで全体の枠組を定める。そのために,二国間の貿易マトリックスの時系列データを使って貿易フローについて回帰分析を行う。 (3)国内投資とI-O表による構造変化の関係を計量的に把握する作業を行った。ただし,完了していないので次年度もその作業は継続される。当面のところ日本経済の空洞化は顕著ではないと,その理由として,海外直接投資にともなう輸出の減少よりも,逆に部品,資本財の輸出の増大を経験していることが判明している。他方で,日本の製品輸入の増加にみられるように,産業構造の変化を反映した貿易構造の変化も顕著である。これらを組含んだモデルによるシミュレーションのための計量モデルについては,本年度はまだ準備段階にある。
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