1.1994年度に実施した企業への移転価格アンケート調査の結果を分析して、昨年11月に調査報告書を発行した。 2.日本在外企業協会が日系在米企業の移転価格調査のアンケートに、当方の質門事項を無断利用したので禍福移転により親会社と子会社の意識の違いを調べたかったが、先方の調査企業名をディスクローズされなかったので、この比較ができなかった。しかし、一般的次元で移転価格税制に対する親会社と子会社の対応の違いをある程度まで明らかにすることができた。 3.文献による研究では、米国の『移転価格最終規則』とOECDの『ガイドライン』及び1968年公刊の『白書』を精細に比較対照した。 4.面接調査は先方の都合等で満足できる数での調査ができなかったが、アンケート回答の裏の事情をも説明を受けることができた。 5.総じて、多くの企業はアメリカの移転価格税制強化に対して批判的であるが、大企業ほどその対策を講じるように真剣に研究しているようである。 6.アームズレングス価格を理論的に追及するとき、限界概念で分析するが、現実の企業での決定には複雑な要因が絡み合っている。 7.事前確認制度は秘密事項が多く、資料の提出を受けることができなかった。 8.一、二年後に同様のアンケート調査を行い、時系列的に分析する必要を痛感する。
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