3年間の研究期間において、「情報技術について、知的活動支援、組織的コミュニケーション革命および、組織構造のエンジニアリングの媒介要素としてとらえることにした。」この情報技術の進化が組織構造の変革に対して、どの様なインパクトを与えているのか、事例研究及び、アンケート調査(予算管理システムを中心にしたもの.)によって検討した。その結果によると、2軸の分析フレームワーク、すなわち、オ-ブンネットワークとクローズドネットワークという情報ネットワークの戦略的特性、及び、ファンクショナル志向及びプロセス志向という情報ネットワークの適用対象のウェートの違いにより、先進的企業事例の特質ならびに方向性が位置づけられるのが分った。戦略的コントロール・システムの特質については、経営情報ネットワークのオ-ブン化と、ファンクショナル志向が結びつくとき、情報共有化・知的創造支援を効率的ないし効果的に行う、マイルストーン管理としての機能が強化されることがある程度確認された。また、経営情報ネットワークのオープン化とプロセス志向が結びつくとき、組織間統合を強化するすることが戦略的コントロール・システムとして重要であること、情報の組織間での共有化や、これまでと異なった、余例化強化・グループの選別強化が進むことが確認された。
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