研究課題/領域番号 |
06451127
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
久保 嘉治 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40003074)
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研究分担者 |
樋口 昭則 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40250534)
土谷 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30003130)
藤田 裕 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40003082)
福永 和男 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (80003086)
嶋田 徹 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (90003136)
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キーワード | 植物ストレスホルモン / 耐湿ストレス誘導エチレン生成 / 冷湿害年の粗飼料成分 / 収量の確率密度関数 / 確率的優越性 / 有材心土破砕 / 標高差と草の植生 |
研究概要 |
1.植物のストレスホルモン(エチレン)を指標にして、冷湿害環境の感受性を計測する実験を行って、コムギの品種間には水分ストレス誘導エチレン生成に明確な差のある事、及びその差異は遺伝的で、エチレンの前駆物質であるアミノシクロカルボン酸の合成酵素活性の差による事とが、判明した。2.公共草地の標高差(400M、800M)毎に観測装置を設定して微気象を観測し、混播草地の生産性、植生推移を計測する実験を開始した。継続観測により、気象と植生・生産性を関連つけて、冷湿害に強い草地管理方策を提示する基礎資料とする。3.冷湿害をうけた年の十勝地域の粗飼料成分成績と畜大農場の粗飼料成分分析を基に、冷湿害年における品質差を先ず確認した。その結果、1番刈草361点では品質低下が見られず、牧草サイレ-ジ630点やコーンサイレ-ジ689点では、TDN価の低下が認められた。特にコーンサイレ-ジは冷湿に因る登塾遅れがTDN価低下の要因である。今後飼養成績との関連を研究し改善方策を探る計画である。4.湿性型火山灰地帯に対する湿害対策として、心土破砕と同時にバ-ク堆肥を鋤込む、いわゆる有材心破を実験的に行って観測した結果、地下水位の低下と地温上昇に効果が認められた。湿害対策の1方法を提示するものである。5.十勝20市町村の昭和40年以降の作物別収量データを収集し、内2市町に付いてパイロット研究として平年単収に対する実単収比の分布をロジスティク曲線で近似し、作物毎の確率的優越性の計測と平成5年冷湿害の理論的発生確率の位置を解析した。この結果、豆作は減収率がやや高く確率的には稀に起こる災害であり、イモ、ビ-ト、飼料用コーンは中位の減収率であるが、やや頻繁に起きても止むをえない災害といえ、コムギは減収率が高いが確率的には起こり易い災害とみなす事が出来る。6.これらの研究成果を組み入れて、安定経営の設計や農業支援事業のあり方を引き続き研究する。
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