研究課題/領域番号 |
06451129
|
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
武井 麻子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70216836)
|
研究分担者 |
荻野 雅 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (60257269)
松本 佳子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (30277892)
稲岡 文昭 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (40151568)
|
キーワード | カリキュラム / 精神看護学 / 看護教育 |
研究概要 |
本研究は、わが国における精神看護学教育の実態を明らかにするとともに、内容や方法について検討し、精神看護学教育のカリキュラムモデルを提示することを目的としている。 本年度は、1.昨年度行った看護系大学を対象とした基礎調査結果の検討 2.基礎調査の結果を基に精神看護学教育カリキュラムについての質問紙の開発 3.わが国の看護系短期大学、専門学校すべてを対象とした本調査 を行った。 1.基礎調査結果より、わが国の看護系大学においては精神看護学教育は、看護婦等学校養成所教育課程指定規則では精神看護学教育の柱が立っていないにもかかわらず、他教科と独立して教育されていることが明らかになった。しかしその内容は多岐にわたり、講義内容はその担当教員の考え方、専門性に深く関連していた。精神看護学教育担当教員の、精神看護学に関する捉え方としては大きく3つのグループに分けられ、1.「精神看護学」とは精神疾患患者の看護であり、狭義の精神科看護が学問的に確立したものであると定義する教員グループ、2.「精神看護学」とは精神疾患患者の看護を核としながら、他領域患者への精神面への看護も包括した、いわゆる狭義と広義の精神看護学を統合したものであると定義する教員グループ、3.「精神看護学」とは精神障害者に限らずあらゆる対象者の精神面への看護であると定義する教員グループの3つであった。 2.以上の基礎調査結果を基に精神看護学教育カリキュラムに関する質問紙を開発した。分析視点1)精神看護学の定義 2)精神看護学教育の目的・目標 3)精神看護学教育の内容と構造 4)精神看護学実習の内容・講義との関連 5)精神看護学教育担当者の教育に与える影響 6)精神看護学教育と基礎看護学教育内容との相互関連とし、その構成は教員の質に関する項目、講義内容、講義方法に関する項目、実習内容、実習方法に関する項目、講義と実習の関連に関する項目、基本的な学校の情報に関する項目の5つとした。 3.開発した質問紙を、わが国すべての看護系短期大学、3年生専門学校565校に郵送した。247校から回答が寄せられ(回収率43.7%)、229が有効回答数(有効回答率40.5%)であった。質問紙調査の結果からは、教員の特性による精神看護学教育モデルは特定できず、講義内容による精神看護学教育モデルが5つに分類できた。今後、講義内容別精神看護学教育モデルに関する変数を特定し、各モデルの特性を明らかにすることによって、精神看護学教育モデルを開発していく予定である。
|