研究概要 |
東京は国際的金融都市化を急速に進め,Global CityあるいはMegacityと呼ばれるようになり,その背景には金融の「自由化」・「国際化」,そして金融のグローバル化が進行している。資金は,世界ではニューヨーク・ロンドンの三大都市にとくに集中するが,コンピュータによる即時的な流動が可能となっている。今後,これらの世界都市の金融コントロールは拡大するであろう。 結城紬産地を調査したが,重要無形文化財に指定されているため,機械化を進めることはきわめて困難であった。しかし,設計図案の作成には,コンピュータが導入されるようになった。農家でもある機屋は,縮小期に対して機業からの撤退で対応した。農家は元来,家計を維持するために複数の生業に複合的に従事し,外部環境に変動に応じて主力部門を切り替えることで収入の最大化を図った。発展期における絣括り技術の普及,および縮小期における機業からの撤退は,機屋の農家としての論理に基づいてなされた。機屋の対応は流動的な生業の変化の一環であり,農村地域の特徴を反映したものである。 一方,縞屋における資金と信用,機屋における生産技術といった経営資源が,血縁を介して継承される点で両者は共通する。また,ともに家族を基本単位として同族的経営を行っている。これらから指摘できることは,結城紬産地全体に共通する「家業」的性格である。家業性こそが結城紬産地の地域的性格を規定しているといえよう。 茨城県内の小都市の商業環境を調査した結果,自家用車を使用する消費者は約85%にも達し,商業店舗はモータリーゼーションにたいする対応を強いられている。一方,大型店舗が進出し,家族経営の小規模店舗は,閉鎖を余儀なくされ,空き店舗率は約9%にも達している。
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