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1995 年度 実績報告書

学習共同体のネットワーク化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06451141
研究機関東京大学

研究代表者

佐伯 胖  東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60084448)

研究分担者 佐藤 学  東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70135424)
キーワードコンピュータ教育 / ネットワーク / 電子メール / 学習共同体 / フレネ教育 / マルチメディア / 学級間通信 / 科学教育
研究概要

本研究は、学校教育でのコンピュータ・ネットワークの利用を学校文化の再構成へ向けて発展させるための基礎研究として、(1)ネットワークによる学習共同体づくりを支援するシステムの開発、および(2)フレネ教育実践の発展としてのコンピュータ利用の可能性の探求、を行うことを目的とするものであり、平成6年度より始まり、本年度はその第2年度にあたる。
上記(1)のために、若手科学者(理工系大学の大学院生、助手、理工系大学出身の企業研究者)によって構成される「湧源サイエンスネットワーク(YSN)」の人たちが、電子メールを通して、港区神応小学校の生徒たちの「科学に関する疑問や関心」に答え、相互交流をはかるという実験的な試みが平成6年度からはじまり、本年度はそれが継続・発展され、大きな成果を見た。(2)のためには、以前からフレネ教育実践を行っている保谷第二小学校の田中学級にマルチメディア対応パソコン1台を入れ、フレネ教育実践における子どもの作品づくり等にコンピュータを活用した実践が平成6年度後半からはじまり、本年度はかなり本格的な作品が多く作られた。また本年度の秋から、神応小学校の生徒たちとの学級間通信が、当初はフロッピ-ディスクによる手紙や作品の交換、電話回線が設置つれてからは電子メールの交換が盛んに行われるようになった。
これらの試みを通して、電子メディアがもたらしうる新しい学校教育の可能性として、ボランティアの若手科学者とのコミュニケーションによる子どもの探求活動の促進効果が実証されてきたが、一方、直接対面の重要性がうきぼりになり、さらにともすると陥りがちな側面として、対話内容の希薄化、特定の個人やテーマの収束化などの現象も見られ、それらの克服が大きな課題であることが示唆されてきた(『学習共同体のネットワーク化に関する研究-平成6・7年度中間報告』にまとめた)。来年度はこれらの点について、さらなる焦点化と実践的な検証がはかられる予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] 佐藤学: "教室という政治空間=権力関係の編み直しへ" 教育学年報. 3. 3-30 (1994)

  • [文献書誌] 佐藤学: "学びの対話的実践へ" 学びへの誘い. 1. 49-91 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤学: "カリキュラムとポストモダニズム" ポストモダンとカリキュラム. 69-78 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "「学校にコンピュータを入れる」ということ" AV SCIENCE. 219. 55-55 (1994)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "正統的周辺参加論とその学習" 学習評価研究. 6. 28-39 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "マルチメディア幻想のなかの学校と家庭" ひと. 23. 103-111 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "学びの質を変える授業" 教育展望. 41. 24-29 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "マルチメディア洪水の中の学び-テクノロジー支配から"頭を冷やす"-" ひと. 24. 9-18 (1996)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "理科の「わかり方」を変える-「科学する」文化をつくる-" 理科の教育. 522. 4-7 (1996)

  • [文献書誌] 佐藤学: "教室という場所" 国土社, 221 (1995)

  • [文献書誌] 佐藤学: "学び その死と再生" 太郎次郎社, 190 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "「学ぶ」ということの意味" 岩波書店, 215 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "「わかる」ということの意味" 岩波書店, 217 (1995)

  • [文献書誌] 佐伯胖: "学習共同体のネットワーク化に関する研究 平成6・7年度中間報告" 121 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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