研究課題
一般研究(B)
小一から大学生までの同題作文のデータベースを作成し、それを基に基礎的な分析を進めた結果、次のような知見が得られ、論文としてまとめた。1.小二、小六、高一で、文の長さに大きな変化が見られる。2.各学年毎の平均文長のちらばり具合からみると、中一から長短に広がっていく傾向がみられ、特に大学生においてその傾向が著しくなる。3.学年が上がるにつれて、異なり語の使用が確実に増え、大学生までに小一の二倍以上になる。留学生の使用異なり語数は中三のデータに近い値を示す。4.異なり語数を品詞別にみると、感動詞を除いて、学年が上がるにつれて増加する。感動詞は小一で最も多く用いられる。5.品詞別に使用総数をみると、名詞と動詞の分布が類似しており、名詞と動詞は相関して増減する。6.品詞別総数の内、接続詞は小三で突出しているように見えるが、語の種類と数を調べると、「でも」を多様しているためであることが分かる。話し言葉の名残とみられる「でも」は、小学生では多く使われるが、学年が進むにつれて減っていき、かわりに同じ逆説の働きをする「しかし」が小四から出現する。
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