研究概要 |
小学校一年生から大学生、日本語学習者までの同題作文のデータベースを基に、基礎的な分析を進めた結果、次のような知見が得られ,論文としてまとめた。 1.日本人の場合,オノマトペを多用する段階から,オノマトペを避け、オノマトペ以外の改まった語を使おうとする段階へ,そして文体意識の現れとして効果的にオノマトペを使おうとする段階へという発達過程が見られた。日本語学習者の場合,「非用」が目立った。 2.呼応を持つ副詞の方が呼応を持たない副詞よりもその使用が早く,また容易であると考えられる。 3.命題の内側にある「命題内副詞」から命題の外側にある「命題外副詞」への発達過程が見られ,その発達過程が叙述内容に近い部分から遠い部分へと向かう様相が窺われた。 4.繰り返しは学年が上がるにつれて減っていくが,一方指示語の使用は学年が上がるにつれて増えていく傾向にある。
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