研究課題
基盤研究(B)
本研究によって得られた知見及び成果は以下のとおりである。1.生活科の指導計画については、約半数の学校で平成4年度と同様の指導計画であり、約三分の一が一部の単元の見直しを行っている。また、単元構成については「児童の興味・関心に沿った」ものが有効だと受けとめられている。生活科の実施以降単元をとり止めた理由についても、「児童の興味・関心」を理由とするものが多い。しかし、全体としては生活科の定着が進んでいることが窺われる。2.生活科の実施に対する教師の意識としては、児童間の協力性の高まり、自然への関心、もの作り、動植物を大切にするなどの点で、評価されていることが分かった。また、基本的な生活習慣の形成に係わる点については、生活科の効果はあまり認められていない。3.生活科における評価の実施状況については、児童の発言や行動をもとにした自由記述による評価が多いこと、評価の観点としては「活動への関心・意欲」「活動中の取り組みや態度」の割合が高いこと、評価の方法としては観察法が主であること等が明らかになった。残された課題としては、体験的活動による子どもの変容を捉えるフレームワークを開発することである。