研究概要 |
予測能力に関する基礎研究の結果,特に予測文法能力として,次のような知見が得られ論文にまとめた。 1.「〜に聞くと」の「聞くと」は伝聞をはじめとするモダリティー表現を予測する決定的な引き金になっていない。 2.母語話者のほとんどは,ある段階でモダリティー表現を予測するようになるが,日本語学習者にはその予測能力の習得が極めてむずかしい。 3.助詞「が」が,出来事や動作の述語、過去の時制,連体修飾の内の関係を予測しがちなのに対して,助詞「は」は、状態述語、非過去時制、連体修飾の外の関係を予測しがちである。 4.「は」が引き金になって,「は」の付く名詞句が,その節を越えて,次の節の主語になることを予測させるだけでなく,談話のトピックとして,次の文の主語になることを予測させる。
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