研究概要 |
閉成7年度の研究実績 1.韻律の知覚面での習得過程のデータを収集するために、平成6年10月に来日した留学生及び在学中の留学生を対象に、「東京語アクセントの聞き取りテスト」を平成6年11月、平成7年4月/7月、9月の3回実施した。データの分析結果を平成8年度日本語教育学会春季大会で発表する(平田,他)。在日1年後の6名の留学生の場合、3拍語のアクセントはほとんど習得されているが、イントネーションがかぶると混乱するようであること、また助詞が加わった名詞句のアクセントは聞き取れないことなどがわかった。学習者別にみると、アクセントの知覚面での習得が急速に進んだ留学生、ゆっくり進んだ留学生、途中で後退した留学生等があり、習得過程に関し興味深いデータが収集できた。 2.韻律の生成面での習得過程のデータを収集するために、平成6年10月に来日したインドネシア人留学生の発話を平成6年秋から7年夏にかけて3回収録した。知覚面でのデータと生成面でのデータを比較しながら結果の分析を行っている。 3.平成7年10月に来日した留学生を対象に「東京語アクセントの聞き取りテスト」を実施し、アクセント習得について平成6年度来日の留学生の結果と比較する計画である。聞き取りテストをこれまで3回、平成7年10月、12月、平成8年2月に実施した。さらに2回テストを実施する予定であるが、今年度は音声の韻律教育を実施し、その効果を検討する計画である。 4.中国人学習者にとっては、疑問文の文末上昇イントネーションが聞き取れないことがあることがわかったため、文末上昇の聞き取りテストも実施中である。
|