今年度は、母性看護教育システムについて 1)具体的な教育コースウエアの作成・テスト・修正 2)看護学生等による試行学習と、アンケートなどによる評価データの収集 3)評価分析 を行った。 1.学習試行と評価データ 試行学習は、信州大学医療短期大学部の看護学科3年、三重大学医療短期大学部の看護学科3年生に使用してもらいアンケート形式で評価データを収集した。その結果次のような意見が得られた。 1)教材としてはきれいである」「わかりやすい」「興味がもてる」などの意見が得られた。 2)CAIによる学習と臨床実習との比較意見を聞いたが、臨床実習には及ばないという意見であった。一方でCAIによる学習は、同じ症例を理解できるまで繰り返し学習ができる事などCAIによる学習の利点を指摘する声も聞かれた。 3)同様に講義との比較を聞いたところ、CAI学習の方が臨床の場面を映像などで理解し易いとの意見が聞かれた。これはむしろ講義用の教材の不十分さを指摘したものと考えられる。 さらに小人数であるが三重大病院の看護婦さんの意見を聞いたが、教材としてもっと盛り込むべき事が多々あるとの意見が得られた。 2.総合評価 a)マルチメディア技術を採用したことは学習者にとって、より分かり易い教材を提示しうる教育情報システムが可能なこと b)しかし臨床実習に取って代わるものではないこと c)むしろCAIは、講義と臨床実習の「補助的教材」として有効であり、講義・臨床実習・CAIを組み合わせて使うことにより総合的によりよい教育実施の可能性が期待されること 等の知見が得られ、CAIによる母性看護教育情報システムの可能性が明らかとなった。 さらに本格的に実教育情報システムを実現するには、教育目的と教育内容、教材データの収集、教育情報システム開発などを、組織的に実現する事が必要であることが明らかとなった
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