研究分担者 |
小川 裕之 大阪大学, 理学部, 助手 (70243160)
村上 順 大阪大学, 理学部, 助教授 (90157751)
永友 清和 大阪大学, 理学部, 助教授 (90172543)
平峰 豊 大阪大学, 理学部, 助教授 (30116173)
松村 昭孝 大阪大学, 理学部, 教授 (60115938)
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研究概要 |
1.有限体上に定義された超楕円曲線のヤコビ多様体の分類について 有限体の上に定義される種数gの超楕円曲線は有限個であるので,それらを同型類に分類すること,および,そのヤコビ多様体の分類を試みた.有限体として標数3の素体をとり,その上の種数2の超楕円曲線はすべて求まっているので,そのヤコビ多様体を,まず曲線の合同ゼータ関数の計算により同種なものに大きく分類してから,自己準同型群の計算により,同型類を調べた.偏極の問題との関連もあり,同型写像を具体的に求めることが今後の課題として残った. 2.位数の大きい有理点をもつ有理数体上のアーベル多様体の構成 有理数体上の1次元アーベル多様体の有限位数の有理点位数は高々12であることが知られている.2次元以上の場合の位数の上限についてはあまり知られていないが,今回,単純な2次元アーベル多様体で位数23の有理点を持つものが無数にあることを示すことができた. 3.等分体のガロワ群の計算 有理数体上定義される代数曲線のヤコビ多様体のn等分点の作る拡大体のガロワ群を決定する問題は,種数1の場合にはゼータ関数の計算と不変数jによりかなり詳しく調べることができる.種数が2以上の場合には,ゼータ関数以外によい不変量が見つかっていないが,種数2の曲線のヤコビ多様体について,数式処理により,n=2,3に対して,n等分方程式を具体的に求めることができた. 4.有理点を多くもつ代数曲線の構成 代数曲線Cのヤコビ多様体の等分点を,リーマン・ロッホの定理を用いて具体的に計算することにより,多くの有理(関数)点をもつような有理関数体上定義される代数曲線Dが得られる.Cが種数2の場合には3等分点の計算よりDは楕円曲線となる.
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