研究分担者 |
小竹 武 東北大学, 理学部, 教授 (30004427)
森田 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (20011653)
堀田 良之 東北大学, 理学部, 教授 (70028190)
島倉 紀夫 東北大学, 理学部, 教授 (60025393)
西川 青季 東北大学, 理学部, 教授 (60004488)
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研究概要 |
・これまでのスペクトル幾何学の研究をふまえ,ラプラシアンの固有値の統計的性質と固有関数列の挙動の精密な研究を行った.特に測地流の古典的エルゴード性と,対応する量子力学系であるラプラシアンの量子エルゴード性の間の関係について,エルゴード性の根源的な意味に立ち戻りつつ,徹底的考察を行った.その結果,これまで,Snirelmann,Zelditch,Colin de Verdiereらによって,古典エルゴード性から量子エルゴード性が結論されることが知られていたが,1つの自然な条件を付け加えることによって,量子エルゴード性から,古典エルゴードが導かれることがわかった. このような研究において重要な役割を果たした概念が,高エネルギー状態における,量子力学と古典力学の対応原理である.数学的には,量子力学的物理量を表す擬微分作用素の主シンボルが古典力学的物理量に対応するという単純なことなのであるが,この対応原理をエルゴード理論の範疇で行うことに成功したのである. 現在,高エネルギーばかりではなく,低エネルギーにおけるエルゴード性の対応原理について研究中である.
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