| 研究分担者 |
加藤 晃史 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10211848)
時弘 哲治 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10163966)
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
菊地 文雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40013734)
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| 研究概要 |
本研究課題は,微分方程式とくに複素領域において定義された完全積分可能系の変換群を調べ,その代数的な構造をあきらかにすることが目標である。特に,代数的研究を深め,完全積分可能系の解の大域的解析に役立てることは重要な目標の一つである。研究計画実施の最終年度である平成7年度は,昨年度に手法を制限せずに行われた各研究分担者の研究を引き続き遂行し,同時にこれらの諸結果をとりまとめることを目標とした。研究対象は変換群の理論と応用に関するものであるならば自由に設定した。旧来の手法やテーマに固執することなく,専門にこだわらず学外諸機関の研究者と学問的交流を深めることにより,本研究課題についていくつかの成果が得られた。また,これらの結果は研究代表者および研究分担者により,論文としてあるいは口頭発表により公表された。具体的な成果の主なものは次のとおりである。研究代表者は,研究計画全体の総括を行いつつ,その中で線形微分方程式の変形理論について研究を進めた。トーラス上の微分方程式の変形に関する結果は今年度中に公表された。特に重要な研究対象であるパンルヴェ方程式について,その変換群を応用することにより,タウ関数の満たす代数的な関係式を得た。また,パンルヴェ方程式の拡張である二変数完全積分可能系について同様な結果を得た。さらに新しい多変数完全積分可能系を発見した。この結果については来年度中にも公表される予定である。また,他研究機関の研究者との共同研究により,いくつかの成果が得られた。その一つはパンルヴェ方程式の解の構造に関する結果であり,今一つは本研究課題で遂行された研究手法がある組み合わせ論の問題の解決に応用されたものである。
完全積分可能系は広範な数学の分野と関連しており,研究協力者によりそれぞれの立場から研究が進められ成果が得られた。
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