研究課題/領域番号 |
06452011
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大春 愼之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
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研究分担者 |
松本 敏隆 広島大学, 理学部, 助手 (20229561)
坂元 国望 広島大学, 理学部, 講師 (40243547)
内藤 学 広島大学, 理学部, 助教授 (00106791)
岡本 清郷 広島大学, 理学部, 教授 (60028115)
前田 文之 広島大学, 理学部, 教授 (10033804)
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キーワード | 発展方程式 / 発展作用素 / 非線形半群 / 非線形摂動 / 半線形楕円型方程式 / 移流・拡散方程式 / 振動解 / ファイマン経路積分 |
研究概要 |
本研究では、微分方程式を含む種々の非線形問題を発展方程式論の立場から取り扱い、これによって新しく得られた知見や手法を発展方程式に対する理論的成果として体系化することを試みると共に、近年重要な研究課題として注目されている様々は非線形問題に応用し、目標とする成果をあげつつある。 1.非線形半群並びに発展作用素の一般的なクラスを導入して生成理論や近似理論を構築し、これらの結果を典型的な非線形発展問題に応用することを試みた。 2.解析的半群の時間に依存する非線形摂動について基本的かつ有効な結果を得た。これによって従来の理論が適用できなった非線形現象の数理モデルに接近できるようになった。 3.定常問題を扱う上で重要な非線形楕円型方程式のポテンシャル論的研究、並びに解の振動性に関する詳細な研究を進め、興味ある結果が得られた。 4.数理物理学に現れる発展系に対する重要な接近法としてファイマン経路積分の表現論的研究を行い、新しい知見を得た。この研究は、流体の運動を記述する移流・拡散方程式の分子運動論的な考察を発展方程式論を用いて進める上で重要である。 5.化学反応、相転位、ヒルテリシスなど、自然界に見られる現象の数理モデルについて研究を進め、数値実験を含めて詳しい解析を行った。 非線形発展方程式は、微分方程式を含む様々な非線形問題の研究と相まって盛んに研究が進められている。本研究の遂行のためには迅速かつ有効な研究連絡や資料収集が必要であったが、この補助金により上述のように多くの成果をあげることができた。これらの研究は、今後も引き続き行われて国内外の研究集会で発表され、論文や著書の形で公表される予定である。
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