研究課題/領域番号 |
06452015
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 完治 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00112293)
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研究分担者 |
杉浦 誠 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (70252228)
千代延 大造 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (50197638)
熊谷 隆 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90234509)
尾畑 伸明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
青本 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (00011495)
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キーワード | Harnack不等式 / 差分作用素 / 熱核 / principal eigenfunction / 調和変換 / Dirichlet空間 / fractal / 拡散過程 |
研究概要 |
市原は、その体積が多項式オーダーの増大度をもつ有限生成群上の対称な差分作用素に対し、大局的なHarnack不等式を証明した。そして、その一つの応用としてDynkin-Maljutovの定理の空間的非一様な場合への一般化を行った。更に、リーマン多様体上の熱核に対して、そのprincipal eigenvalueが正になる場合に、時間に関する減衰度の精密なオーダー評価を行った。そのために、principal eigenfunctionによる調和変換とprincipal eigenfunctionそのものの詳しいオーダー評価を行い、Dirichlet空間におけるHardy-Littlewood型の定理を適用することによって上述のオーダーを得た。 熊谷は、affine nested fractal上の拡散過程の熱核に対し、Varadhan型の短時間評価およびこの拡散過程に関してSchilder型の大偏差原理を考察した。さらに2次元Sierpinski gasket上で、局所的には横方向に動く確率が非常に高いが、大域的に見ると均等な動きをする拡散過程を、Dirichlet形式を用いることにより系統的に構成し、その熱核の評価を行った。 杉浦は、確率過程の特異摂動の問題に関連して、微少パラメーターをもつ拡散過程に対して、平均流出時刻等に関するその指数的評価を行った。
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