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1996 年度 実績報告書

膨張宇宙での構造形成と熱史の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06452021
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 文隆  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025370)

研究分担者 佐々木 節  大阪大学, 宇宙地球科学科, 教授 (70162386)
中尾 憲一  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90263061)
西 亮一  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80252419)
山田 良透  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20230493)
キーワード銀河形成 / 星生成 / 大規模構造 / 水素分子 / 幅射輸送 / 数値流体力学 / 初期宇宙
研究概要

膨張宇宙での構造形成論の課題は宇宙背景放射(CMB)、銀河分布の大規模構造、深部探査などの観測の進展で得られる情報と現在の銀河天体の形状、星構成、元素組成、などについて情報との統一的理解を得ることにある。このための膨張宇宙での原始ゆらぎから星質量スケールの天体形成に至る過程の解明が必要である。従来とかく原始ゆらぎ成長の問題は大規模構造との関連だけで論じられ、また星、星団形成は銀河内部の進化問題として原始ゆらぎから分離して研究されてきた。これに対して、当研究課題では原始ゆらぎのより小スケールの部分に着目しその時間発展を明らかにする研究をした。
原始ゆらぎの成長が重力収縮まで至った最大のスケールである銀河団スケールではビリアル温度はX線源に見られるような高温になるだけであるが、質量スケールを銀河質量以下に下げてくると衝撃波による加熱の程度が非平衡的な電離と電子を媒介にした水素分子形成に導く興味のある質量範囲がある。当研究ではこの原始雲の非球対称重力収縮、衝撃波加熱、水素分子形成、水素分子による冷却、放射輸送、小質量への分裂、などを詳細に調べた。
赤方変移100から10辺りでの種々の天体過程には膨張宇宙とCMBの存在が無視できない。これらに関して、放射天体どうイオン化に影響を与えるかをシュトレームグレン球の進化で調べた。またクエーサー形成に必要な重力崩壊のための角運動量消失を論じた。
当研究のテーマでは重力、熱流体、原子分子、放射、の諸過程が何れも重要な寄与をするので数値計算においては特別な技術が要求される。これらに関する基盤的なコードの開発とインフラストラクチャーの整備を行った。
CMBゆらぎの観測は大大スケールのものであり、これを当研究で関心のある小スケールにどのように外挿するかはインフレーション説などによる原始ゆらぎの形成の理論に関連してくる。これらは宇宙年齢などの宇宙論の他の問題に関連して論議されている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山本一博: "Quantum Fluctuations and CMB Anisotropies in One-Bubble Open Inflation Models" Phys.Rev.D54. 5031-5048 (1996)

  • [文献書誌] K.Ganga: "Tentative Appraisal of Compatibility of Small-Scale CMB Anisotropy Detections in the Contex of COBE-DMR-Normalized Open and Flat-Lambda CDM Cosmogonies" Astrophys.J.Letter. 461. L61-L64 (1996)

  • [文献書誌] W.Hu: "Small Scale Cosmological Perturbations : an Analytic Approach" Astrophys.J.471. 542-550 (1996)

  • [文献書誌] 官谷幸利: "Microlensing and Halo Models of the Galaxy" Publ.Astron.Soc.Japan. 48. 479-487 (1996)

  • [文献書誌] 上原英也: "Fragmentation of the Primordial Gas Clouds and the Lower Limit on the Mass of the First Stars" Astrophys.J.Lett.473. L95-L98 (1996)

  • [文献書誌] 中村卓史: "The Minimum Total Mass of MACHOs and Halo Modeles of the Galaxy" Astrophys.J.Lett.473. L99-L102 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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