1.ブレーザーからのガンマ線放射のモデルとして相対論的電子による逆コンプトンモデルの研究を行なった。その結果、(1)ガンマ線放射は中心から0.01pc程度の領域から放出され、10程度のビ-ミング因子をもっていること(2)従ってジェットはブラックホールのかなり近くで10程度のローレンツ因子まで加速されていること(3)多周波スペクトルはシンクロトロン放射と逆コンプトン散乱によりよく説明されること(4)電子スペクトルは放射冷却を考慮にいれた衝撃波統計加速で説明されること(5)ジェットの物理状態は粒子のエネルギーが磁場のエネルギーを卓越していること(6)ジェットの組成は電子陽電子対を主としていること(7)低光度のブレーザーはTeV放射を出しえるが、高光度ブレーザーは10GeV以上の放射は出さないこと(8)陽子シャワーモデルは観測と一致しないこと(9)ジェットの加速機構は未解決の問題であるが、磁場よりも放射場の役割が重要と考えられることを明らかにした。 2.活動銀河の高温ガスの状態の探索する上で重要な原子過程の研究を行ない原子データの不確定性の影響を調べた。 3.衝撃波による粒子の統計加速過程の研究を進めた。(1)斜め衝撃波で実現される粒子スペクトル、加速時間等を調べ、その有効性を示した(2)平行衝撃波での熱的粒子から非熱的粒子への入射過程をモンテカルロシミュレーションで調べ、効率が充分良いことを示した。(3)銀河面からの硬X線放射への適用を行なった。
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