(1)降積円盤の鉛直構造と放射スペクトルとを斉合的に求める数値コードを開発し活動銀河の軟X線超過の観測と比較した。エディントン光度近くで降積している場合には軟X線超過や紫外線バンプが降積円盤で説明できることを示した。円盤が高温コロナを持つ場合には硬X線も説明可能であることを示した。 (2)ブレーザーからのガンマ線放射を逆コンプトンモデルで説明した。電子スペクトルを衝撃波加速理論と斉合的になるように定め、ジェットの物理量を推定し、ジェットが電子陽電子対からなる可能性が高いことを論じた。ジェットの物理状態は粒子エネルギーが磁場を卓越しており、かつ中心のブラックホールのシュワルトシルト半径の100〜1000倍の領域でガンマ線放射が生じていることを示した。これはジェットの加速機構に大きな示唆を与えるものである。 (3)衝撃波による非熱的粒子の統計加速過程について、斜め衝撃波における加速をモンテカルロ法などで調べた。加速時間が、平行衝撃波の場合に比べ、大幅に短縮されることを示した。 (4)活動銀河の高温ガスの状態を探索する上で重要な、原子過程、プラズマ過程の研究を行ない、各種天体に適用した。
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